金曜日の放課後、教室に手袋が片方落ちていた。青くて、とても大きい手袋だった。ムニラはそれを拾った。
ムニラ: これ、だれのでしょうか。
イノム: ラノさんのはずがありませんよ。ラノさんは今日休みでしたから。
ムニラ: そうですね。じゃ、田中先生のでしょうか。
イノム: 先生は今朝、白い手袋をしていました。先生のはずがありません。
二人は考えた。放課後にこの教室にいたのは、三人だけだった。そして手袋は、ムニラの手より二まわり大きかった。女子の手袋のはずがない。
イノムは窓の外を見た。校庭で青い服の生徒たちが走っていた。
イノム: サッカー部の人に違いありません。今日、この教室で会議がありましたから。
ムニラ: でも、部員は二十人もいますよ。
ムニラは手袋の中を見た。小さい字で名前が書いてあった。二人は驚いた。本当にサッカー部の三年生だった。
手袋は金曜日に返すはずだったのに、持ち主はもう帰っていた。月曜日の朝、ムニラはそれを職員室に届けた。昼休み、大きな男の子が取りに来た。手は、やはりとても大きかった。