イムロンは財布を開いた。千円しかなかった。明日はムニラの誕生日だ。
駅の前の店に入った。きれいな襟巻きがあったが、三千円だった。手に取って、戻した。
次の店では、小さな人形が千二百円だった。あと二百円。その二百円さえなかった。
イムロンは情けなくなった。三年間の友だちに、千円の物しか買えない。
兄に電話してみた。兄は笑って、「値段ばかり見ていると、いい物は見つからないよ」と言った。イムロンは意味が分からなかった。
帰り道、古い文房具屋の前を通った。窓に青い万年筆が一本あった。八百円。
ムニラは毎日日記を書いている。イムロンはそれを思い出した。これこそムニラに似合う物だ。
次の日、ムニラは箱を開けて、長い間何も言わなかった。
ムニラ: どうして分かったの。わたし、ずっと青い万年筆がほしかった。
イムロン: ごめん、八百円の物しか買えなかった。
ムニラ: こちらこそ、ありがとう。値段じゃないよ。
イムロンは家に帰って考えた。金さえあれば高い物が買える。でも、相手のことを知っている人しか、正しい物は選べない。